公立中学に硬式テニス部が少ない理由①

原因は数々ありますが、大きくは、慣例と当初、硬式テニスが公益財団法人「日本中学校体育連盟」(以下:中体連)に属していなかったことが挙げられます。これまで、様々な働きかけによって硬式テニスの中体連への加入が求められ、徐々に加盟状況は改善されてきています。

中体連における硬式テニスの位置づけとは別に、どちらにしても、様々な課題によって硬式テニス部が創設されたり、増加するかどうかは各校、各団体等に委ねられるとも言われています。(※2018年中体連の硬式テニスの加盟が決まり3年後中体連に硬式テニス部が出来ることになりました。)

これまで、なかなか現実化されない原因として、親である保護者やPTA等の団体が硬式テニス部創設の提案をするものの、学校側から指導者の不在やコート等の問題から受け入れられない傾向があります。何より、提案を発信する側であるPTA等の団体の役員も子供の卒業等から入れ替わりがあり、提案が継続化されず希薄化されてしまうことも大きな要因と考えられます。もちろん、硬式テニス関係者の力不足も間違いなくあります。

 

※上記 中学硬式テニス部応援サイト 「中学に硬式テニス部を」から抜粋

 

公立中学に硬式テニス部が少ない理由②

2018年4月より2年以上にわたり、轟中学学校長とも話し合いを重ねてきました。轟中学に硬式テニス部が出来ない最大の問題は「硬式テニスの指導者がいない。子供の人数が減り、教員の数が減り顧問につく教員がいない。」です。いわゆる顧問問題です。

※かねてより問題視されてきていた教員の就労時間の長さを改善するために今年の10月より千葉市では土曜日、日曜日と平日1日の部活動休みを設けることが厳密化されました。(以前から通達はありましたが、あまり順守されていなかったことが10月より厳しく通達されたようです。)

 

中学校教諭の意識調査

「中学校教職員の働き方に関する意識調査」より

基本的に教員はそもそも部活動指導のノウハウを大学で学ぶことはない。つまり教員は、各種スポーツや文化活動の専門性を持ち合わせてはいない。しかもその勤務体系からは、部活動を教員の義務的な仕事とみなすには無理がある。

だが実際にこの時期に、校内で教員に配付される新年度の「顧問希望調査」(あるいは「校務分掌希望調査」)といった類いの調査票では、部活動顧問を引き受けることが前提となっている。部活動指導を「希望しない」という選択肢は用意されていない。

 既存の全国調査を見てみると、過去20年の間に、中学校では教員全員で部活動を指導するという傾向が強まってきた。

 いわゆる「全員顧問制」とよばれるもので、1996年度の時点では57.0%の中学校にとどまっていたが、最新の調査(スポーツ庁『平成29年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査報告書』)では88.4%の中学校で、全教員に部活動指導が強制されている。

意識調査では、「来年度(2018年度)、部活動の顧問を担当したいか」についてたずねている。

 「教諭」(約2,800名)の回答結果は図示したとおり、「担当したい」が50.5%、「担当したくない」が49.5%である。職員室の意見は、見事に半分に割れている。

 

上記意識調査からの感想

「部活動顧問を務めて一人前」という意見が職員室を支配していた時代から「部活動がつらい」といえる時代になってきたようです。

2018年10月ネットニュースになった中学部活顧問意識調査でも

①顧問をしていて楽しくなく、やりがいがない。②顧問をしたくはないが、部活動は楽しい。③顧問を積極的に楽しく行っている。

という①②③の意見がちょうど30%づつに別れたという結果もありました。

少し寂しい気もしますが、今中学生の子供を持つ親世代の部活動顧問に対する感覚と実際に顧問として指導にあたる教員間には少なからず温度差が生じていると言わざるを得ません。

しかし現在教員を取り巻く環境、長時間勤務の実態も無視できない問題です。

その上で私たちの考えるこれからの部活動のあり方を提案します。